elephant(監督ガス・ヴァン・サント)

『elephant』を借りた。『elephant』は絶え間無く考え出してしまう映画だった。映画が終わった後もやむことがなく、次の日もその次の日も考えた。
この映画では、登場人物達の後ろ姿(背中)を見ている時間の内に、自分の考えている事、見ているものの意味も変わっていく。それは全く強要されない。私は川の流れのようにとうとうと考えてしまうのだ。彼らが画面上で真っ直ぐに歩いているリズムとともに。私ははじめ、彼の歩くリズム(つまり映画のリズム)がとても居心地悪かったのだが、いつしか、そのリズムについて考えてしまうのだ。