視線

 シャルル・フレジェの写真展「RIKISHI」に行って来ました。
 道中、自転車にぶつかり倒れ、相手は一応すみませんと言って私を見ていましたが、その視線は早く先に行きたいその場から去りたいというそこには存在もなく罪の意識もなく自分は何も悪いことはしていないという無関係な存在としてのものでした。私はついさっきまで写真展を見に行くという楽しみに満ちあふれていたはずが、その出来事で、一気に嫌な空気の世界に突き落とされました。本当に、気分が悪く、家に帰ろうとまで気分が落ち込んでいましたが、その先に、自転車に乗ったホームレスらしき方がガード下にダンボールを敷いて横たわっているホームレスの方に、何やら声をかけている姿が見えました。その視線は、あたたかいもの、周りの人は存在すら無視するように横切って行く異様に目立つ彼を存在させているものでした。人の視線は、人そのものなのだと思いました。そして、それであるからして人は存在して生きることを必要とした動物なのだとも思いました。
 そんな気分で持ち直して見てきました。



 

シャルル・フレジェ展 RIKISHI
シャルル・フレジェは1975年にフランスのブールジュに生まれ、ルーアン美術学校で写真を学んだ後、フリーランスの写真家として現在もルーアンを拠点に活動しています。
日本での初個展となる本展では、日本各地の少年・アマチュア相撲の力士や、相撲部屋に所属する若手力士たちを撮影した「RIKISHI」シリーズを展示します。それぞれの写真は彼らが日ごろ稽古したり生活する場所を背景に撮影されています。日常空間で撮影を行うことにより、彼はメディアによって伝達される儀式的で格式ばった日本の国技としての典型的な「相撲」のイメージから離れ、現代社会に生きる普通の少年・青年としての力士達の姿を写し出します。
本展では、200点余におよぶ同シリーズ作品の中からフレジェ自身が選んだ40点の写真作品を展示します。
http://www.yma.city.yokohama.jp/look/art_0403/index.html から

あと、『シャルル・フレジェ?』というブログもあります。
→ http://parallaxscope.net/RIKISHI/
横浜美術館に行こう〜展覧会が出来るまで〜』というサブタイトルです。
これを見れば、?も!にかわるかもしれません。